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とりあえずさ 今日、なに食べた?

少女は悪魔を待ちわびて、明日観て - 前編

 ここ数日、飯を静脈で食べているため、ロクな感想が書けないだろうなと思い、早速食レポブログを想定していた体裁を無視して、映画の『食べた』を書くことに。元気な姿はお見せしておきたかったので、一目で分かるようタイトルで韻を踏んでおきました(韻を踏めるオタクは元気だと思っている)

 頭のやわこいオタク、大まかな括りでいうところの赤ちゃんなので、肌に合った要素を感じるとすーぐ口に放り込んでしまうんですね。少女と殺人鬼。ふーん、エッチじゃん。ポチッ。そんな感じです。

 

 

 2016年3月、韓国で公開された『少女は悪魔を待ちわびて』。

 そもそも韓国映画に明るいほうではないのだけど、モ・ホンジン監督の作品存じ上げないな~と思ったら、シナリオ作家として活動されてらしたそうな。ググったら『俺たちの街』というサイコ・サスペンス映画が出て来ましたね。今作のジャンルも、サスペンス。サスペンス・スリラーです。

 主人公は、借金こさえて蒸発した母親を持ちながらも、愛情深く正義感の強い父親・ナム刑事と共に幸せな生活を送っていたナム・ヒジュ(シム・ウンギョン)。そして、親を持たず施設にて育ち、動物を惨殺、はては殺人にまで手を伸ばして尚、罪の意識を持たないサイコキラー、キム・ギボム(キム・ソンオ)。

 ウンギョンちゃん、初見の気持ちで視聴していたのですが、『新感染』に出てたあの子だったことを今日知りました。志田未来ちゃんに雰囲気が似てる。うつくしい女性の顔立ちで、黒い瞳を濡らしながら、幼子のように指を吸うポーズを取る彼女の手前に、『少女』と白く銘打たれているこのフライヤー……オタク、理解。そして、感謝。配給会社は最高を“理解って”いる。これだけでも邦題の意味があったのではないでしょうか。国もな、プライベートさえあれば傾けるだけ傾きたかったと思うよ。キム・ソンオさんは『サム、マイウェイ』と『シークレット・ガーデン』で観ました。顔、あまりにも覚えやすいでしょ。マイト・ガイの親戚と名乗られたら勘考の上で信じると思う。

 そんな二人の関係は、加害者と被害者。七人の人間を殺害したとして裁判に掛けられた男と、その七人の内に父を持つ少女。万人に公平で平等であることを望まれた法律は、時として、遺された者たちに残酷だ。例え、10に満ちるか満たないかの幼子が、血濡れた父親の誕生日を過ごした凄惨な事実があろうとも、物的証拠にはなりえない。結果として証拠不十分から、彼の罪は一件の殺人容疑に留まる。わずか十五年の懲役。父の殺人に至っては、認められることすら叶わなかった判決を前に、善良で、幼い少女に許されたのは、ただ、涙を流すことだけだった。――あれから、十五年の歳月が過ぎた。キム・ギボムが監獄から解き放たれるその日。かつて少女だったヒジュは、その蛹の下、成人した身体を持て余して、う化を夢見ている。

 

 あらすじちょろっと書くとこんな感じです。この先はガッツリネタバレ注意。

 

 

 冒頭、この人生の舐め方がすごい!2016にもノミネートしたギボムが小手調べに法廷をおちょくり回すところから始まります。七人の殺人容疑に掛けられていましたが、内六件については、警察・検察ともに、「お前や!!!!」という確信を持ちながらも、状況証拠以上のものを挙げることが出来ず、無罪に。一件のみ、情報提供者の証言によって立証できたとのことで、懲役十五年の判決が降りました。

 殺したいほど憎い犯人(推定)が、罪を償うそうな。自分の身内を殺した罪は、そもそも無いらしいので、償うもクソもないけどよ。という判決に、傍聴席のあちこちから、「息子を返せ!」「お前が姉さんを殺したんだ!」と悲痛な怒号、啼泣があがる。

 ここからのギボム、印象的で掴みがよかったです。

 傍聴席のほうへ振り返るんですが、そのタイミングがワンテンポ遅いんですよね。遺族たちは当然、判決そのものがショックなため、判決を聞いた瞬間ワッとなる。対するギボム、判決を聞いた時点では、何の反応も見せないんです。喜色も遺憾もない。遺族たちの声が聞こえてからようやく、「なんか喚いてんな」と“気づいた”ような、『騒ぎがあるので振り返った』という日常の一幕を連想させる気軽さで、彼らを一瞥する。カメラワークをギボムの視界と解釈すると、遺族たちを塊ごとに捉えているんですよね。誰かを探すように動く視線は、自身に殺したいほどの憎しみをぶつける人間たちを背景としか捉えていない。ギボムにとって、心底どうでもいい人間たちなんだな、と、価値観の隔たりと、ギボムという人間の破綻が垣間見え、良サイコを感じる出だしがベリー良かった。

 傍聴席の後部に座っていたチョ・デヨン刑事、韓国警察の受験資格でもある瞬間移動を軽々披露し、ギボムの元へ。お前の出所を待つ、必ずもう一度法廷に立たせてやると呻吟する彼に、ギボムはたった一言、こう返す。

 

 頭のいい人間って、言葉が簡潔なんですよね(幣ブログの文字数を隠す)

 今現在の結果を鑑みて、『出来なかったから俺は出所するんじゃないのか?』と。暗にそう問う、痛烈な一撃。殺人鬼は言葉のナイフもお手の物ってワケよ。

 

 出来らあっ!

 言葉の右ストレートには拳の右ストレートで返す。それが、この先100分、様々な手法で見せてくれる『俺たちのデヨン・ギ虐ショートショート集』の始まりだった。同時に、傍聴席からも人々が立ち上がり、刑務官たちとの大攻防も始まります。警察でありながら暴徒を鼓舞する多才な一面、これには世界各地のデモ隊スカウトが垂涎したことでしょう。

 監督が乗り気にさえなればゾンビ映画へ切り替えられそうな絵面と化した法廷を眺める、幼い姿が映った。彼女こそが、ナム・ヒジュ。まだ小学生である少女はひとりぼっちでいる。隣に座っていたデヨン刑事はギボム殴り放題に必死で、母はとうに出ていき、父は……あのおじさんが殺したのだと、みんなが言う。

 ヒジュは“自分がどう振る舞えばいいのか”すらわからないようだった。無表情でいる人間は殺人鬼とヒジュだけ、という場面作りが、皮肉でうつくしい。『ひざをついて泣いてるおばさん』、『おこって物をなげるおにいさん』、『デヨンおじさん』、『おとうさんをころした人』……何を見るにも見上げなければいけない背丈のヒジュは、一歩、二歩と後ずさる。そうやって、自分の視界に議場の全容を収めた時、ようやくヒジュが涙を流した。一度だけ、声も出さずに。

 

 ここで、『ヒジュは聡い子どもなのだ』と判るのが、ひたすら悲しかった。

 訳のわからないまま泣くでもない。十分な時間をとって、ヒジュが考えているさまが映像にされていて、涙が彼女の『理解した瞬間』であると判るのが、悲しい。人生には決定的瞬間があると言いますが、ヒジュにとってそれはこの瞬間だったのではないかと考えてしまう。“少女”らしく、真っ当に、彼女が悲しみ縋ることを許す誰かが、この時横に居たならば。デヨン刑事が彼女の『親代わり』になれなかった理由は、ここにあるのではないかと、そう思いました。責める気持ちは毛頭ない。デヨン刑事は15年後に至るまで、本当にヒジュを大事に想っていたでしょうし、その想いは成長を見守る過程で深く培われたことでしょう。けれど、この瞬間において彼にとってのヒジュは、『娘のような存在』ではなく『ナム刑事のかわいい娘』で、彼自身もヒジュの肉親ではなく、慕っていたナム刑事を殺した男を憎み自身を恨む、ひとりの刑事だった。彼女を顧みるより、自分の感情を優先するのは当たり前で、ただただ、仕方がないこと。仕方がないという言葉は、いつも悲しい。

  続くシーン。ギボムの事件を追いかけ回していたナム刑事は、帰宅途中、何者かに首を刺され致命傷を負い、這いずりながらも一人娘の待つ家へ帰ろうとする……という、殺害の回想なのですが、この映画屈指のうつくシーンのひとつです。

  ヒジュ……ヒジュ、と何度も名前を呼び、家へ辿り着いた父。仲間への通報・病院への連絡といった全てが頭にない、ただ、一人娘の元へ帰ろうとするその様は、死の直前の“父親”を映していた。既に思考を回せる状態ではないんでしょうね。刑事としての部分はもう死んでしまっていて、ただ、父親としての部分だけがかろうじて彼の呼吸を繋ぐ。視線も、眠っているヒジュの背以外、何も見ていない。呼び声に応えるように、ヒジュが寝返りを打つシーンからが、本当にうつくしいんですよ。ヒジュの顔が見えて、父の声は少し止まる。けど、また、呼び始めるんです。

 背中でない、寝顔が見えてしまったから、次を望んでしまう。

 声を聞きたい、目を開けてほしい……願望が長じていくさまに、生命そのものを感じて、胸が痛む。命あるから、祈りが生まれる。もし、ヒジュが目を開けたとしても、次の願いが生まれたでしょう。ヒジュ。安らかに眠るヒジュを見つめながら、そう口にしたナム刑事は、もう何も願わなくなった。死んでしまったから。

 翌朝、誕生日ケーキを片手に家を訪れたデヨン刑事の目に入ってきたのは、ナム刑事を膝に抱え、その頬を撫ぜ続けるヒジュの姿だった。二人はパーティ帽を被り、小机の上にはケーキと簡易な朝ごはんがある。幸せな光景だった。

 

 二人が血濡れていることを除いては。

 ケーキ等、ナム刑事が死亡した時点では無かったものなんですよね。ヒジュは目を覚まし、彼の死体を見て、どこへ電話するでも助けを求めるでもなく、父親の誕生日を祝う選択をしたというのが、あまりにもむごい。瞼を下ろしてあげたのも、ヒジュでしょう。そうなると、ヒジュは父親の死も、理解しているのではないかと解釈しました。死んだことを理解しているのか、していないかで、父の頬を労うように、慈しむように撫ぜている姿が違ったものに映る。 

 外で三角座りをして、ひとり父の音楽プレーヤーをかけているヒジュを、デヨン刑事が見つける。いつも、“ことが過ぎた後”を見つけるのは、彼なんですね。あまりにもむごい過去を知った上で、映像は『懲役十五年』という現実に帰ってきたのだった。大人たちは肩を抱き合って泣き喚き、怒り散らして、どうにかその現実をやり過ごそうとしていた。抱きしめてくれる家族がおらず、怒りをぶつけるだけの身体もないヒジュにはどちらも選択することができない。彼女が選んだのは…………。デヨン刑事の声が、優しく響く。

「ヒジュ。誰を待ってる?」

 

 ここで映されるタイトルコールがにくい。

 演出上、ここだけでいうと、原題のほうが情緒あるんですよね。『널 기다리며』は、『あなたを待ちながら』といった和訳になるみたい。英題は『Missing You』。

 韓国語に明るくないのですが、『널』が相手(あなたや君)、『기다리며』が「待つ」と「~しながら」を合わせたような感じなのかな。英訳するならWaiting for youがのほうが近いっぽい。ただ、韓国語の例文を見るに、待ちながら何かをしているというよりは、「会ってくれる日を待ちながら」等、情緒を含む感じの使い方が多かったので、概ね含みとしてはMissing Youのほうなんだろうな~と思います。

 レビューでは邦題、クソ!wという扱いが目立ってますが、邦題は英題と共にかなり出来よく訳されてるんじゃないでしょうか。韓国ドラマ、四割ぐらいmiso-soupを静脈に打って捻り出したのか? みたいな邦題とクソフォントの遊び場みたいになってるので私は感心してました。邦題ええやん! な理由は、また後ほど。

 

 

 あの判決から、十五年の月日が流れた。ついにギボムが、塀の外へと足を踏み出す。

 

 シャバの洗礼が始まった。

 好き嫌いとお残しは許さないデヨン刑事の黄金の右腕が唸る。韓国では刑期を終えた人間に、豆腐を食べさせる習慣があるそうな。口と後頭部はどちらも首から上に位置するため、うっかり間違えてしまったのも致し方なし。

 開幕トウッフアウトの他、頬をぺちぺちしたり、ポケットに灰皿としての使い道を見だしたりと軽快なギ虐を見せるので、デヨン刑事は元気そうだなとひと安心。

 一方の、ヒジュ。クラシックを楽しみ、何やらニーチェの言葉を黄色いメモに書いて「教養の授業はおしまい」と笑顔を見せる。父の勲章を磨く姿も、始終穏やか。これはデヨン刑事、育成に成功してますねえ! と思った次の瞬間、映し出されたのは黄色いメモが隙間なく貼りつけられた壁・壁・壁。

 

 ちゃんとサイコ・ホラーってジャンル分けして。

 先ほど書いたメモを張り足したあたり、それらは全て哲学者の言葉のご様子。NetFlixのリフォーム番組なら、トム・ダイコフが「これは現実かい? (壁紙が)昨晩見た悪夢みたいだ」と笑いながら、一度部屋を出ているところです。

 一抹の不穏を覚えるも、ヒジュは軽い足取りで出掛けて、近所の子連れに眩しい笑顔でご挨拶。自分で編んだカゴ一杯のおりぼんをひとつ赤ちゃんにあげて、坂道では古紙回収のおじさんをお手伝い。なんなら私の二足歩行をも補助してくれそうな善良っぷりに、ヨシ! さっきの光景はトムの悪夢だなと自己解決。視聴続行。

 だってお父さんのいた署で猫っかわいがりされてっし。清掃員のお仕事頑張ってっし。非正規職らしく、署の人間の給料から1万ウォン(1000円ぐらい)ずつ集めてお給料としてあげてるっぽいし。プラスアルファでお小遣いもろとるし。タンシム(一途)って愛称まで付けられてっし。あの聡かったヒジュはいずこへ、と言いたくなるような、いっそ頭が足りてないとすら思う無垢さを携えてっし。

 屋上から足を放り出して、ボロアパートに暮らす蒸発した母親を遠目に眺めていたとしても、道歩くクズそうなおじさんに「女性には優しくしないとおじさん死んじゃうよ」とニコニコ去って行ったとしても、顔のいい、一般成人女性に違いありません。信じて送り出した俺たちのヒジュが歪んでいるはずがない。

 

 ところかわってキム・ギボム。頭部の豆腐は(元気なオタクなので韻が踏める)しっかり洗い流したようで、チョン・ミンスという人間を捜している模様。繋がらないと判るや否や、電話先はデリヘルへとチェンジ。頭のいい人間は脳からチンチンへの切り替えも早い。

 

 私もこれだけ堂々と、パンイチを要求できる人間なら、人生、違ったのかな。

 ナイフ、言葉のナイフ、夜のナイフの三刀使いを魅せてくれる殺人鬼もそうは居まい。自分本位メチャックスの間に、浮気した恋人ユンジョンをお死置きセックスした過去を回想してくれるギボム。先程捜していたミンスはどうやら彼女の浮気相手らしく、同時に、名前で呼び捨てるような仲だったみたい。ユンジョンという名前のほうは、確か、一件だけ認められた殺人罪の被害者でしたね。頭のいい人間はセックスからの情報量も多い。

 ここでギボムに人生の危機がやってきます。なんと、デヨン刑事、管轄外もなんのその。やだがる部下へギボムの尾行を命じていたのでした。警察へギボムが要求したHENTAI PLAY(デリヘル嬢の良発音)の全容が事細かく取り調べられちゃう~?! というスリラーを味わっていると、デリヘル嬢の専属運転手が立ちションへ。最悪のマナーの中にも礼儀ありと主張するかの如く、チンポジをしっかり正し的を狙う運転手。……を“的”に定め、尾行する、黄色いレインコートの影があった。フードの下から覗くその素顔は――。

 

 待ってくれや~~~~~と頭を抱えこむ私氏。違うだろ。ヒジュは……俺たちのヒジュは違うだろ。ヒジュから不穏な要素を感じたくないつごもり、必死に頭を回した結果、自分の心を守るための答えが浮かぶ。

 おちんちんに興味があるのだけなのでは?

 周りにいた大人たちは全員警察官。当然、一緒にお風呂だとかそんなんも無かったろう。多感な時期に、路地裏でおちんちんが突如として露出されていたら、どうする? 絶対絶対、通報するよな。路地裏へ行くよな。正答、出しちまった。

  しかし――そんなおちんちん侍の元へ先に辿り着いたのは別の男だった。男は数ある立ちションスポットの中からおちんちん侍の真横をチョイス。おっ、ホモか? と口笛を吹く頃、男が小便を侍シューズに引っ掛けた。

 おちんちん侍は激怒した。必ず、かの風紀紊乱のチンコを除かねばならぬと決意した。良識ある腐女子であれば「これはお誘いの合図では?」と察することもできたろうが、おちんちん侍にはお誘いのルールがわからぬ。おちんちん侍は、ノンケの運転手である。ホラを吹き、女と遊んで暮らして来た。けれども、立ちションのルールに対しては、人一倍に敏感であった。礼儀ある立ちションを心掛けているため、あらぬところへ放尿し風紀を乱した男が許せず、「殺すぞ」と口走る――が。次の瞬間、倒れ伏していた。首をひと掻き。たったの一瞬。血は尿で洗われていく。尿量がすごい。ここでハッ、と思い出すんですね。この男……十五年前、傍聴席にいた。

 そう思い出しているうちに、手際のよく風俗嬢をも始末され、殺人を目撃したヒジュは、その場から立ち去っていく。ヒジュが殺人を犯すのでは……という疑惑が晴れたことに、とりあえず胸を撫でおろすつごもり、次の場面転換で胸が削ぎ落ちたことを知る。

 ヒジュハウスに隠されていたフローリング下の秘密。それは、一面の新聞記事。

 そのどれもが、十五年前の事件に関係したものだった。トムは案外、「このコラージュは独創性があるよ。彼女はついに、殻を破って個性そのものを見せてくれた」とか言って気に入りそう。ヒジュは記事に頬を寄せ呟いた。

 

「あの人、誰? どうして、私の“宿題”を代わってくれたのかな」

 ヒジューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアア゛ーーーーーーーーーーーーーヒジューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー性癖です。

 こちらも『復讐ものか』と心構えが変わってくるので、今まで見えていたものも変わってきますね。白痴っぽさすら見せ、無害を装っていたヒジュ。そうだね、そうだったね。ヒジュは『聡い子ども』だった。確かにそう感じていた自分をすっかり忘れてた。ただ、ひとつだけ教えてくれ、ヒジュ。

 どうやってギボムの性生活を知った?

 …………(カタカタカタッ ターンッ!)

風俗店同士は、客の電話番号をデータベース化し、互いに共有している。こうすることにより、取り締まりのリスクを避けることができ、悪質な客も除外することができるという一石二鳥の効果を享受するためだ。

ところが、頭のいいやつが、このデータベースを利用して、女が金を払って特定の電話番号を調べることを依頼すると、いつ、どの店で、誰と接見したか、特徴は何か、このような詳細な情報を提供し出したという。

今、女超サイト(女性の数が男性よりも多いサイト)や主婦サイトで、彼氏や夫の携帯番号、知人も携帯番号を照会するなどして祭り状態だ。

最初は、1万ウォンだったが、今では3万ウォンで販売しており、依頼の件数が多すぎて、サイトが暴走状態になっている。

韓国人「現在、韓国で男の買春履歴を照会できるとんでもないサイトが誕生し大騒ぎになってる件wwwww」 : カイカイ反応通信

 

 これや!!!!!!!!!!!!(確信)

 気になりすぎて一所懸命調べました。ギボムだけでなく私もスッキリした。あの新人に、自身の一万ウォンの行方を教えてあげたい。

 

 少女×殺人鬼×復讐の構図に変わったところで、そろそろ更新しておきたいため、前後編に分けます。

 少女の復讐もの、好きなんですが……と打ってみて、はた、と「いやそんな数知らねえな」と思い直す。おすすめありますか? 『ミスミソウ』と『復讐少女』しか知らない気がする。ググってみたら出てきたページ。

この復讐がすごい!映画史の残るリベンジ映画15選

 笑うでしょ。

 絶対絶対、私が言いたかったでしょ。「この復讐がすごい!」絶対に言いたかった。生まれる前から言いたかったし、この記事のタイトルにしたかったでしょ。ずるい。かつてない嫉妬心が胸中に渦巻く。ググる前に戻りたい。なんやねん「この復讐がすごい!」の絶妙なマヌケ具合は。ずるい。悔しい。クソして寝ます。